Provenance / rules / known limits

出典と、つくりかた

どこから取ったか。何を書かないと決めたか。
あいまいなところを、どう扱ったか。

ここに書いていないことは、していない。 書いてあることと画面が食い違っていたら、それは欠陥として直す。

01 / 前提

公開情報だけを見ている

認証の要る場所には入らない。誰でも開けるページと、誰でも叩ける公開エンドポイントだけを読む。 ログインの要るデータ、非公開のダッシュボード、関係者から個別に渡された資料は、一つも使っていない。

取得したものは加工前の形で手元に残し、集計はそこから毎回作り直せるようにしてある。 つまり、ここに出ている数字はすべて、同じ手順をなぞれば他の人が同じものを得られる。

個人について、公開されている提案者名・提案内容・報告以外のものは集めていない。 連絡先や所在地を推定して補うこともしていない。

02 / 出典

どこから取ったか

台帳提案 11,385 件・提案者 5,699 人・投票結果
プロジェクト個別状態・配分額・タグ・提案者
projectcatalyst.io /api/v1/graphql
国別の集計96 の国に現れる 2,317 件
Fund の規模用意された額・配分された額
マイルストーンと完了報告提出・承認の履歴、報告書 1,761 件、動画 587 件
国境の形地図の描画
Natural Earth world-atlas
ADA の日次価格約束された額と受け取った額の差
Binance /api/v3/klines
Fund ごとの日付・状態の判定基準手で追われた記録から引き継いだ
原文は必ず別に残してある

取得した日: 台帳の生成 2026-09-04 / プロジェクトの取得 2026-09-05。 画面の数字はこの時点のもので、以後に起きたことは入っていない。

03 / 作法

書かないと決めたこと

この六つは、慎重さの表明ではない。 採択したのは投票したホルダーで、判断はその人のものだから、こちらでは決めない。

04 / 判断の記録

あいまいなところを、どう扱ったか

公開データはきれいに揃っていない。迷ったところと、その扱いを全部残す。

  1. 共同提案を、人物別に足すと二重に数えられる

    採択の 51% が共同提案。単純に人物ごとへ足し上げると ADA が 2.0 倍、USD が 2.5 倍に膨らむ。

    扱い — 合算した数字を正解として出さない。共同提案には を付け、 「関わったすべて」と「単独提案だけ」を切り替えられるようにした。どちらが正しいかは決めない。

  2. 台帳の合計と、Fund 別の合計が 96 件ずれる

    台帳は 11,385 件。Fund ごとに足すと 11,289 件。差の 96 件はどの Fund にも紐づかない。

    扱い — どちらかに寄せて辻褄を合わせない。差を差として画面に出す。

  3. 9,068 件は地図に載らない

    国の記録を持つのは projectcatalyst.io に載る採択分だけ。台帳の大半は国が分からない。

    扱い — 地図の一番上に、載らない件数を先に書く。欠落を最初に示す。

  4. 「記録が止まっている」と「活動が止まっている」は別

    最後に記録が動いた日は取れる。しかし完了済みにも付くので、そのまま出すと誤読される。

    扱い — 未完了 313 件だけで数え直した。365 日を超えたものが 12 件。 そして記録そのものが取れていないものが 90 件あり、止まって見えるものより多い。 動いていたのに記録していないものと、止まっていたものを、この線は区別しない ——と画面に書いた。

  5. Pilot と Fund 13 は、そのままでは比べられない

    Pilot は 250万 ADA。Fund 13 は ADA 4,650万 と USD 4,878万の二本立て。

    扱い — 「ADA 枠だけで比べて 1/18」と断る。規模の縮小を一つの数字で言い切らない。

  6. 採択率は、単調に下がってはいない

    最初にまとめたとき「32% から 10% へ落ちた」と書いたが、データを見ると最高は F11 の 32.6%。 F9 で 17.8%、F10 で 13.1% まで落ちてから戻り、また落ちている。

    扱い — 「上下しながら下がっている」に直した。応募数も「増え続けている」ではなく、 ピークは F13 の 1,639 件で F14 は減っている、に直した。

  7. 為替の差は、全体で見ると消える

    約束された額と受け取った額の差は全体で −6%。しかし F10・F11 は +28〜30%、F13・F14 は −29〜31%。

    扱い — 全体の一つの数字で語らない。Fund 別に並べる。逆向きが打ち消し合っていると書く。

  8. 事前の評価が「機能していない」とは書けない

    中止 72 件と完了 732 件で、コミュニティレビューの中央値がどちらも 3.67。

    扱い — 「その後を何も言い当てていない」——関係が見えない、という事実までにする。 評価そのものの当否は判定しない。

  9. 報告が出ていることと、書かれたとおりに起きたことは別

    完了 1,722 件のうち 1,716 件に報告がある。報告の 98% に証拠リンクがある。

    扱い — 存在は記録できるので書く。中身が果たされたかは判定しない。 約束と報告を左右に並べるところまでで止める。

  10. 訳は機械が付けたもので、意味が反転することがある

    日本語の訳は自動翻訳(LibreTranslate)。2,317 件を精査したところ、 Vitality(活力)を「死亡率」、unbanked(銀行口座を持たない人)を 「銀行口座の貸渡し」と反転させるもの、$550 billion を「500億ドル」と桁ごと誤るもの、 同じ語を 400 字ぶん繰り返して暴走するものがあった。 固有名詞の Catalyst を化学の「触媒」と訳したものが 49 件、 Cardano の表記が「カルダノ」と「カーダノ」に割れているものが 69 件あった。

    扱い — まず主題を必ず原文にした。訳は「参考訳」と断って下に添える。 誤訳が記録として読まれることが無くなる。
    そのうえで、形で見つかる壊れ(暴走・記号のみ・固有名詞・表記ゆれ)を機械で直し 113 件、形では見つからない誤り(意味の反転・数字の相違)を 一件ずつ手で直して 35 件。直した理由は全件 data/ja_overrides.json に残してある。
    直しきれてはいない。だから訳を根拠に何かを言わないし、原文は必ず開ける。

  11. 投票の後に何が議論されたかは、測れない

    レビューは 6,908 件あるが、すべて投票の前のもの。拡散も議論も、記録する場所が用意されていない。

    扱い — 「議論されなかった」とは書かない。「測る場所が無い」と書く。

  12. DRep については何も言えない

    このサイトは Catalyst の記録しか持っていない。委任や DRep の判断のデータは持っていない。

    扱い — 構造が引き継がれているという接続だけを示す。DRep の振る舞いを評価しない。

05 / 間違いの直し方

間違っていたら

出典と手順を全部書いてあるのは、確かめられるようにするためだ。 数字が違う、出典が古い、扱いがおかしい——そう思ったら、そこを指してほしい。

直したときは、何をどう直したかを残す。消して書き直すことはしない。

間違いを指す →